こんにちは
ツルヒゲです
今回は2021年に公開された
ラナ・ウォシャウスキー監督作品
マトリックス レザレクションの感想・レビューです!
目次
ファーストインプレッション
『マトリックス、ナメてたやつへのラナ・ウォシャウスキー監督 真正面からの的回答!!!』
概要
マトリックス レザレクションズ(2021年)は
1999年に公開され、一世風靡したSF映画で
大人気シリーズ「マトリックス」の第4作目にあたる
製作・監督・共同脚本は、1作目からを務めるラナ・ウォシャウスキー
前作に引き続きキアヌ・リーブス、キャリー=アン・モス、ジェイダ・ピンケット・スミス、ランベール・ウィルソンらが出演している
18年の時を経て制作された続編
ストーリー
前作「マトリックス レヴォリューションズ」で機械達との戦いの果てに死亡したと思われていたネオは、密かに機械達によって蘇生され長い間マトリックスにつながれていたのだった
記憶を改ざんされ再び仮想現実の中でトーマス・A・アンダーソンとして暮らすネオはゲーム会社のデウス・マキナ社に所属する世界的なゲームデザイナー、過去に「マトリックス」という3部作のゲームを手掛け大ヒット
しかしそれは仮想現実内での話、現実に起こった記憶を自作のゲームのストーリーだと思い込まされていたのだ
仮想現実の世界で新作のゲーム開発のプレッシャーから不眠やストレスに悩まされ、精神科医から精神安定剤の”青いピル”を大量に処方してもらいながら生活を繰り返す
ある日、仕事をしているとオンラインゲームのアップデートを恨んだ14歳の少年から犯罪予告が届き同僚たちと揃って勤務先のオフィスビルから脱出することとなる
そこにスマートフォンへ何者かからオフィスビルの一角にあるトイレに向かうようにメッセージを送られてくる
指示通りトイレに向かうネオ
そこには開発したゲーム「マトリックス」のキャラクター モーフィアスが立っており、”赤いピル”を見せ「ネオ」として現実世界へもどるように告げる
選択をせまられたトーマス・A・アンダーソンこと”ネオ”は再び救世主となるのか、、、
感想・レビュー
マトリックスは10代の頃に第1作目を観賞してからのファンで第3作目まですべて劇場で観賞していてシリーズ通して大好きな作品
本作はキアヌ・リーブスとキャリー・アン・モスのオリジナルメインキャスト二人が引き続き出演するということで
久しぶりのシリーズ公式続編にワクワクしながら劇場で鑑賞してしました!
ラナ・ウォシャウスキー監督の苦悩と新作の制作に至るまで
当時このマトリックスシリーズ(特に第1作目)は
映画業界や世界に衝撃と多大なる影響をあたえたことは言うまでもないですが
時代進むにつれて「マトリックス」という映画そのものが陳腐化したようにもおもいます
そして監督の意に沿わない政治的利用をされ社会に影響を与えてしまう形にも…
これには監督、前作まで共同監督を勤めていたルル・ウォシャウスキー監督もかなり怒りの表明をしていたようです
本作の制作について長年に渡りラナ・ウォシャウスキー監督にワーナー・ブラザーズが圧力をかけるようにオファーを繰り返しおこなっていて、ラナ・ウォシャウスキー監督は断り続け、ワーナー・ブラザーズは監督たち抜きでリブートやリメイクなどの企画をたてていたそうです
しかし監督のご両親や友人が亡くなったことや自身たち姉妹の性別適合手術を受けたことなどをキッカケに現代の「新しいマトリックス」を作るために本作の制作にいたったようです
マトリックスのあたえた影響
過去マトリックス3部作は 「文字通り観たことのない映像、そしてアクション、その中にある哲学的なストーリー」
当時10代の少年ツルヒゲにとっては
『自由への解放、厨二病が大好きなアクションを真面目に大人的視点で語るなんて!ものすごい映画だ!」
と厨二病のココロを心底クスぐられた思い出があります
当時第1作目の銃弾をよけるシーンなんかは特に多くのメディアでとりあげられ
パロディも数え切れないほどありましたし
ツルヒゲ含め少年たちはみんなマトリックスのシーンのモノマネをしていたくらいです
そんな一世を風靡したシリーズの新作が公開となると
そりゃワクワクが止まりませんでした! 笑
アンチマトリックスイメージに対してのメタ構造
前述したようにワクワクしていた反面、
正直あれから18年の歳月が経ったこと
そして目まぐるしく変わってしまったこと
この現代において長年のパロディ化されたマトリックスのイメージもあり
マトリックスの新作が出るということに少し不安も抱いていたのは事実です
しかしそんなのも吹っ飛ばしてくれるのがウォシャウスキー監督!
ただのマトリックスシリーズの続編と思いきや
空白の18年に起こった様々な出来事やアンチマトリックス勢に対して回答しているような構造で
その中に作品を通して伝えたいメッセージを埋め込んで
観客の予想をはるかに超えるアプローチで物語は展開されていきます
冒頭からの映画「マトリックス」を商業的に消費してきた業界
そしてそれに惑わされてきたわたしたち世間一般の人々に対して
ブラックジョークに飛んだかなり激しめなアンチテーゼの数々 笑
(冒頭のアクションが”ちゃっちく”みえるのも意図的だと思います)
前3部作に出てくるようなシーンがたっぷり演出されていて
ファンにとっては「あのシーンだ!」と歓喜するばかり
しかしかなりの尺の模倣シーンがでてくるので「総集編か?」と中盤まで疑ってしまいましたが
メタ視点をふんだんに詰めこみ”前作とは似て非なる新しいマトリックス”を観せられ
気がつくと「前3部作とは何かが違う」「俺は何を観せられているんだ」とおもわず唸っていました
作中の仮想世界の存在と観ているこちら側に対して
メタ的に存在する仮想世界を二重にも三重にもみせるような構成で
ゾクゾク、モヤモヤと仮想世界に惑わされいきます
しだいにネオや監督に憑依していくような感覚になっていき、
終盤に向かって行くにつれ謎が少しづつ解き明かされると
本作と監督の意図、そして現代になぜ作られたのか?という意味が
深く深く繰り広げられていくように感じました
帰ってきたトリニティー、そして新時代の救世主に込められた想い
終盤トリニティーが覚醒するシーン!
そのシーンの映像がかっこいいのなんの!
前作で命をかけて人々を守った二人が
二人の愛と自由のために自らを解き放ち、
「レザレクション!蘇った!戻ってきた!」
とツルヒゲは思わず涙を流してしまいました
もう最高です!
実はトリニティーが救世主だったいう設定
これは特に新時代の幕開けを象徴していると思います
新世界に虹をかけるというのは
LGBTQの色がモチーフでもあるだろうし
物凄くピースフルな結末は
”争いではなく調和でが大切だ”という
昨今の女性蔑視問題やジェンダーレスの問題に対しての
監督からのひとつの回答ともとれます
まとめ
本作は続編としての賛否両論ありますが
ツルヒゲ的には再び少年時代にもどることのできた
童心をクスぐられる作品でした
結末に関しても
前作の結末は”自由への解放”だった部分が
本作の結末は”決断する意思と誰かをおもいやる調和”なっていて
本作でより自分の意思で選択していくという
新たしい一歩を踏み出すためのメッセージが込められているように思いました
前作からのファンとして
前3部作の結末も素晴らしいけどある意味悲しい結末なので
今回の新しい結末はとてもとても嬉しかった!
相変わらず隠された要素が多く、まだまだ様々な読み解きがあるので
ここでは書き切れないですがとりあえず個人的には最高です!
公式の続編、そしてマトリックスシリーズの最後を
その目で確かめてみてください!
良き映画体験を!
ツルヒゲ
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