こんにちは
ツルヒゲです
今回は2021年Netflixで公開され
第94回アカデミー賞では作品、脚本、編集、作曲の4部門にノミネートされたブラックコメディ満載の映画「Don’t Look Up ドント・ルック・アップ」映画感想・レビューです!
※この記事に若干のネタバレが含まれます。
なにも情報を入れずに観たい方はブラウザーバックすることをおすすめします。
目次
ファーストインプレッション
『本当ヒドイ!けど笑ってしまう超絶ブラックコメディー!』
概要・ストーリー
本作は2021年Netflixで2021年12月24日から配信、それに先立ち12月10日から一部劇場で公開されたブラックコメディ映画
第94回アカデミー賞では作品、脚本、編集、作曲の4部門にノミネート
脚本・共同製作・監督は「バイス」「マネー・ショート 華麗なる大逆転」などのアダム・マッケイ
主演はレオナルド・ディカプリオとジェニファー・ローレンス
他にも大統領役にメリル・ストリープをはじめ、ケイト・ブランシェット、ジョナ・ヒル、ティモシー・シャラメ、アリアナ・グランデ、マーク・ライランスなど豪華キャストが集結
ある日”すばる望遠鏡”での観測により地球に衝突する恐れがある巨大彗星の存在を発見した
落ちこぼれの天文学者ランドール・ミンディ博士(レオナルド・ディカプリオ)と教え子のケイト・ディビアスキー(ジェニファー・ローレンス)は彗星衝突によって地球が破滅する事実を伝えようと世界中に伝えようと奔走する
アメリカ大統領のもとへ行き「この彗星はNASAも確認したとおり約6ヶ月後に地球に衝突し、惑星全体の絶滅を引き起こすのに十分な大きさである」と伝えるが大統領はじめ政府関係者はその事実に無関心なばかりか、あげくに自分たちの世評ばかり気にしている
政府が動かないのであればと躍起なった彼らは朝の情報番組「デイリー・リップ」に出演などして熱心に訴えかけるが事態は思わぬ方向へと向かっていく、、、
感想・レビュー
簡潔な感想としては
超豪華キャストがぞくぞくと出演していて
出てくるやつほぼ全員最低クソ野郎なんですが
一方的に責めることができないキャラクターも居て
「自分だったら?」という想いが常につきまとう作品でした
豪華役者陣が勢揃い!演技が本当に最高!
まず主人公のレオナルド・ディカプリオが演じるミンディは
社交性には乏しく普段から社会的地位や名誉を求めている家庭では優しき父親の”弱き”天文学者
天文学者という肩書きをのぞけば現実社会でもよくいそうな一般人である程度正義感やプライドも持ち合わせているんだけど
いざというときにやらかしちゃうんです 笑
その普遍的でどこか誇張している演技がものすごく良い!
テンパっている演技とか耐えかねておもわずすべてブチまけてしまうシーンの演技なんかはもう最高!
ここ数年のディカプリオの演技は以前にましてとても磨きがかかっていてより好きになりました!
ティモシー・シャラメはイケメンすぎ!
ただのちょい役かと思いきや…!
髪型もダサいし、服もダサいのにイケメンってどういうこと!!!笑
「DUNE/デューン 砂の惑星」鑑賞後だったので全然印象が違いました
こんなにも豹変するのかと驚愕!
ティモシー・シャラメ演じるユールは
若さゆえの危なっかしさや闇を持っているけど
過去の風習を知っていたり、信仰心や優しさを持っていたりと
ハイブリットでまだどこかこどもな
”現代の若者代表”を上手く演じきっていたと思います
どこぞの大手企業をおもわせるBASH
そのCEOピーター役のマーク・ライランスは
「こんなヤツいそ~ッ!」って感じで
有名な富豪やCEOたちを全員足して割ってそこに悪いものを少し振りかけたような人物
登場した時からしゃべり方や目線、表情すべてからはなんとも言えない妙な感じが出ていて
終始本当に自分のこと以外興味がないクソジジイ感が半端ない 笑
あるシーンでの「問題ない。ちょっとお手洗いに失礼するよ~」ってシーンでは
お前!!!笑
ってなりました笑
そしてメリル・ストリープとジョナヒルの嫌味な感じはマジで最悪!
もう最低クソ野郎過ぎて何も言えない 笑
もう語れないほど強烈で最低です 笑
(褒めてます 笑)
この2人の演技は見ものです!
もう早く観て確かめてください!笑
実際に起こっている世界的問題の数々をパロディー化
2020年頃から世界的なコロナウイルス感染拡大による混乱や問題、アメリカ大統領選、元大統領トランプ政権周辺の問題やQアノン、環境破壊と先進技術の進歩、差別問題とそれによる暴動や問題、SNSの普及による誹謗中傷などetc…
と過去に起こった悲惨な歴史から現在進行形で問われている問題や争いの数々が本作の始まりから終わりまでここまでかというくらい全面に所狭しと並べられ語られていて
現実の社会で目の当たりにしている問題がここぞとばかりに出てきます
特にツルヒゲにとって印象的なシーンとしては
後半ビルと地上を空撮で撮っているシーンはかなり印象的でビルの上ではパーティーを行なわれており、地上では暴動が起こっているというなんとも斬新なシーンと物語終盤、世界中の人々が見上げる派”Look up”と「見上げない派”Don’t look up”」に二分されてしまうシーン
この2つのシーンはコロナ騒動や差別問題、格差社会など現実の世界でも実際に起こった事象を如実に表していて目に焼きつきました
先程の2つのシーンはコメディータッチとは言いがたいですが、他にも目を防ぎたくなってしまう問題を真正面からコメディータッチでぶつけてくるので
こちらは表情をひきつらせ、怒りや困惑した感情を持ちつつもサクッと観れてしまいます
どんな感情で見れば良いの!?本作のクライマックス!
そしてクライマックス!
あの晩餐のシーンは今までに感じたことのない気持ちになりました
恐怖と幸福が両立して日常にひとつのシーンに混在することで
今までにあんなにも戦慄が走った映画体験はツルヒゲにとってなかなかありません
そして人類の向かう先といい、、、
最後まで笑えばいいのか泣けばいいのか
なんともいえない感情をかき乱されるクライマックスでした
まとめ
映画全体としてはわりと俯瞰的な視点で描かれているので
人間は愚かとか
この事象がどうとか
そういうことに良し悪しをつけるというよりも
全方向からの本音や主張、鬱っぷんがすべて吐き出されているように感じました
自分がこの状況に置かれたらどうするのだろう?
はたまたどういう結果に行きつくのだろう?
と考えてしまう作品です
深刻な問題をあえてのコメディータッチで描くからこそ
恐怖や戦慄をヒシヒシと感じられるのだと思います
この作品はある意味チャップリン映画のようでもあるなと思いました
物語のゆくすえはいかに
世界の、人類のゆくすえはいづこへ
是非ご自身のその目でたしかめてみてください!
良き映画体験を!
ツルヒゲ
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