【映画】ドライブ・マイ・カー 感想 レビュー 〜村上春樹の世界観を忠実に再現した映画〜

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こんにちは

ツルヒゲです

今回は第74回カンヌ国際映画祭では日本映画初となる脚本賞を含む計3部門

第94回アカデミー賞では国際長編映画賞を受賞した

原作は村上春樹の同名短編小説を映画化した

「ドライブ・マイ・カー」の感想と魅力をご紹介していきます!

ファーストインプレッション

『村上春樹の世界観を見事に映像化した作品!!!』

概要

ドライブ・マイ・カーは2021年に公開され
第74回カンヌ国際映画祭では日本映画初となる脚本賞を含む計3部門を受賞
第94回アカデミー賞では国際長編映画賞を受賞
原作は村上春樹の同名短編小説「ドライブ・マイ・カー」
監督は濱口竜介
主演は西島秀俊

本作は原作から主要な登場人物の名前や基本設定を用いているが、同じく村上春樹の小説「シェエラザード」「木野」の内容やアントン・チェーホフの戯曲『ワーニャ伯父さん』の台詞を織り交ぜオリジナルの物語として構成されています

ストーリー

脚本家の妻を突然失った俳優・舞台演出家の家福
彼は愛車の「サーブ900ターボ」に長年の乗り続けており、
その愛車に乗り長期滞在の仕事で広島演劇祭に向かう

いつもなら自分で宿泊先から現場には自身の愛車を運転し向かうのだが、
事務局からの要望で事故のトラブルを避けるため専属ドライバーに渡利みさきをあてがわれる

当初、家福は運転に自身のこだわりがあるため不服であったが
みさきの運転技術は一流であった、次第に彼女が運転する愛車の中で過ごす時間は彼にとって重要な時間となっていく

そして口数の少ないみさきと愛車で移動する中、家福は妻の残した秘密に向き合っていく、、、

感想・レビュー

評価:4.0 / 5

第94回アカデミー賞で国際長編映画賞を受賞した作品
以前から気になっていたので映画館で鑑賞してきました

これほどまでに村上春樹の世界観を映像化した作品は過去にないのではないかと思います
小説を読んでいるようであり、小説や文章では表現できない映像体験ができる作品です

深く巧みに練られた構成と編集

本作は本当に深く考えられた構成と編集によって軽い気持ちで鑑賞してもスッと内容が入ってくる作りになっていると思います

メインストーリーに絡めて「ゴトーを待ちながら」「ワーニャ伯父さん」の劇中劇や霧島れいか演じる家福音の妄想の物語を入れ、独特な言い回しの台詞が多くでてくるのでなかなか難解な物語に感じますが、
台詞もとても繊細で巧妙な構成が練られていて、その内容をわかりやすく説明してくれるような構成・編集をされているので原作や劇中劇の内容を知らずとも最後まで頭を抱えることなく観ることができます

俳優陣の演技が本当に素晴らしい!

俳優陣の演技もとても洗練されていて、西島秀俊さんの演技もさることながら
ツルヒゲ的には岡田将生さんの演技が本当に素晴らしくて驚きました
特にオーディションのシーンと車中での家福悠介役の(西島秀俊)と高槻耕史役の(岡田将生)この2人の会話シーンには圧倒されました

またイ・ユナを演じたパク・ユリムさんの手話を使った演技はとても素晴らしく
他でもなかなか観ることのできない演技だと思います

本当に本作の俳優陣の演技は本当に素晴らしい!

メタ的視点と”あえて”の演出

本作は
【物語を観ているまたは語っている役者】を【観ている私たち観客】
というメタ的視点と

【最低限必要な情報以外は削る】
【それぞれの台詞を”平坦”にする】
【俳優陣の表情を感情的にし過ぎない】
などの演出をすることで、

それぞれのキャラクターの微細な感情の変化がわたしたちの心に突き刺ささってきます

情報や感情的な部分を”あえて”削る引き算的な方法で伝える力を増幅させる演出は
わたしたち鑑賞者をより一層作品の世界観に没頭させてくれます

ドライブシーンの音響と映像の凄さ

車内からの風景やドライブシーンがこれほどまでに綺麗に撮られている映画はこれまでにあったのかと思わされるほど素晴らしい仕上がりです

ドライブシーンに使われる音響はとても綺麗に収録されていて不自然さもまったくありません
音楽や効果音も部分的に必要最低限なものだけ使われていて無駄がなく
そこに役者の高い演技力とがあいまって、
映画全体に独特の間をもたせ、緊張感や感情の動きを巧妙に表現しています

車を使った映像が半分以上を占めている映画なので
一歩間違えれば「長い退屈な映画」になってしまうところを
まったく間伸びせず、緊張感を持ったまま最後まで走りきります

村上春樹作品の映画化について

村上春樹作品は何度か映画化されていますが
ツルヒゲ的には本作も含め、数々作られてきた過去作すべてに
同じような「じとっとした雰囲気」が映画の中に共通して表現されているように感じています

その「じとっとした雰囲気」を読者や映画制作者が共通の認識としてをもっていること自体が
原作小説の著者 村上春樹のすごさだと思います

村上春樹作品の好き嫌いや得意不得意はあると思いますが
村上春樹の世界観を映像化したという意味では
本作はこれまで映像化された作品の中でも群を抜いて傑作だと思います

まとめ

ドライブマイカーの感想と魅力について書いてきました

複雑なストーリーではありますが
それを俳優陣の素晴らしい演技と巧みな構成・編集で
スッと頭に入ってきて、心にジワッと響く
とても素晴らしい仕上がりになっていて
本当に魅了あふれる傑作だと思います!

ツルヒゲ的に
日本という国、そして日本人の日常的な風景が描かれた映画が
世界で素晴らしい評価をされたことをとても嬉しく思うとともに
この映画を制作された方々をリスペクトしています!

2時間59分という時間はあっという間に過ぎます

観終わったあとは感慨深く誰かと語り合いたくなるジワッと心に残る作品
『ドライブマイカー』

是非ご鑑賞することをおすすめします!

 

良き映画体験を!

ツルヒゲ

 

この記事を書いた人
ツルヒゲ

ツルヒゲブログ~平凡大全~を運営している、ツルヒゲです
30代を目前に急に髪が薄くなったことをキッカケに
スキンヘッドにヒゲというスタイルで運良く一般企業に就職
休日は育児をしつつ家族とコーヒーを飲みながら過ごしたり
バンドやサウンドクリエイターなどの音楽活動しています

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